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フレッシュで刺激的な6年熟成物・アードベッグベリーヤング

■アイラモルトとは？

スコットランドで造られるウイスキーの中でも非常に定評があり、世界的に有名なのがアイラモルトウイスキーです。
ウイスキーを知らない方でもアイラという名前を耳にしたことがあるという方も多いほどです。
スコットランドの西側には大小合わせてさまざまな島があります。
その島ーの中で最南端に位置する島こそがアイラ島です。
こちらのアイラ島には、ラガヴーリン、ボウモア、ラフロイグ、カリラなどといった世界中のモルトファンから親しまれる大手蒸溜所が集中するエリアになっています。
アイラモルトが世界で愛される特徴、それはピート香です。
アイラ島の4分の1はなんとピートと呼ばれる泥炭を含んだ土壌で覆われています。
この泥炭は、苔や海藻などが分解されずに蓄積された炭のことを指しています。
そしてアイラモルトは、このピートを麦芽に焚き染める量が非常に多くなっており、それが故ピーティーでスモーキーな味わいが大きな特徴となっているのです。
またアイラ地方独特といえる磯の香りが強く感じられます。
このため、モルト初心者にとっては磯臭い、薬臭い、クセが強いと感じられて苦手に感じる方もいらっしゃいますが、モルト愛好家には飲み続けるほどやめられない非常にクセになる味わいです。
ただ、アイラモルトといえども蒸溜所によって、ライトなものから強烈なタイプまでさまざまあります。
ピート香の強さはフェノール値ppmによって表現されており、数値が低くなればなるほど香りがよりライトになります。
アイラモルトの中でも初心者の方など、ライトなタイプを選びたいというときは、フェノール値の低いものを参考にして選ぶと良いでしょう。

■アードベッグ蒸溜所について

アードベッグ蒸溜所は、スコットランドのアイラ島南岸に1815年に設立されたスコッチウイスキーの蒸溜所であり、先にご紹介したアイラモルトを製造する蒸溜所のうちの一つです。
このアードベッグ蒸溜所は幾度となく操業停止などの苦難に悩まされてきましたが、1997年にグレンモーレンジ社によって買収されたことで、本格的に操業が再開されるようになりました。
ここを再出発点としてアードベッグは原酒の切り替えや新しいアードベッグのハウススタイルの体現、ブランド確立などを目的として2004年にアードベッグ10年の道というシリーズを誕生させました。

■アードベッグ10年の道シリーズにおける第一弾アードベッグベリーヤング

アードベッグ10年への道は、アードベッグ10年への熟成過程を段階を踏んで楽しむことができるシリーズとなっています。
全部で第4弾までリリースされました。
まずその第一弾にあたるのが、こちらのアードベッグベリーヤングです。
6年熟成物で、次に第二弾として8年熟成のアードベッグスティルヤング、第三弾として9年熟成のアードベッグオールモスト・ゼア、第4弾として10年熟成のアードベッグルネッサンスで完結します。
つまり当シリーズの起承転結の「起」の部分に属するのが、今回ご紹介するファーストリリース・アードベッグベリーヤングです。
こちらは20,000本限定生産でリリースされているボトルであることから、今では入手困難で希少価値の高いカストストレングスです。
1998年に蒸溜され、2004年に瓶詰めされました。
香りは強いピート香が際立ち、ヨードと併せて漂います。
さらに土っぽい香りやシトラスやローズマリー、ミントの香り、塩っ気を伴うのです。
さらに味わいもさすがは口から鼻孔に至るまでピート香がぐっと広がります。
フィニッシュはピーティーでスモーキーかつレモンピールのほろ苦さを併せ持ちながらスパイシーな余韻が続きます。
6年熟成でありますが、若いアイラ特有の強烈なピート香とヨード香による甘さがダイレクトに感じられ、熟成期間は短くとも未熟さはさほど感じません。
第一弾ということもあり、ほかの3種よりもより注目度が高かった商品です。